2018国際食品工業展

6月12日(火)~6月15日(金) 東京ビッグサイト・東1~8ホール 10:00~17:00

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研究概要

伝統的大豆発酵食品への機能性付加の可能性

研究機関名

熊本高等専門学校 生物化学システム工学科 弓原研究室

代表者

弓原 多代

本研究の主旨

「豆腐の味噌漬け」は豆腐と味噌という比較的入手し易い原料で作られる食品であり、魚などの動物性タンパク源が入手しにくい山間地方では保存食として食されてきた歴史ある食べ物であるが、市場にはあまり出回っておらず学術的知見も少ない。熊本県南部人吉・球磨地方でも「豆腐の味噌漬け」が作られており、特に「かづら」という植物の蔓でまいても崩れない程固い豆腐を用いて味噌に漬け込むことが特徴である。当研究室では地域密着型研究の一つとして、豆腐の味噌漬けについての生化学的知見について調べており、これまでに塩分濃度やグルタミン酸量、大豆ペプチドの濃度などに着目し、研究を行ってきた。
近年、大豆食品中のポリフェノールの一種イソフラボン類が健康に与える効果について様々な知見がなされており、女性特有のホルモンバランスの乱れの改善ばかりか男女問わず骨粗しょう症や高血圧、ガン予防に効果があるとされ非常に注目されている。しかし、これまでイソフラボン類による女性ホルモン様の効果と考えられていたものが、イソフラボン類の一つダイゼインから派生したエクオールであるという知見が近年報告された。エクオールの原料となるのはイソフラボンの一種ダイゼインであり、この物質はダイジンのアグリコンである。ダイゼインは一般の食品中には含まれないものとされている。このエクオールを利用できるヒトは日本人では約50%程度といわれている。このエクオールはイソフラボン類の一種ダイジンが加水分解した物質ダイゼインを原料としてエクオール生産菌が生産する事が示されている。しかし一般的な食品中にダイゼインは存在しない。
本研究では豆腐の味噌漬けの熟成期間中のダイジンおよびダイゼインの変化に着目した。その結果、熟成期間が長いほどエクオールの原料となるダイゼインが増加することが示された。大豆発酵食品としては味噌・醤油などの調味料、納豆などがあるが、調味料は多量に摂取する事が難しく、納豆は匂いや粘りなどで好みが分かれる食品である。また学術的知見も多い。それに対して同じ大豆発酵食品である「豆腐の味噌漬け」についての知見は少なく、今回の報告は興味深いものと思われる。また、新しい機能を付加した伝統的発酵食品としての新たな展開も考えられる。

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