2017国際食品工業展

6月13日(火)~6月16日(金) 東京ビッグサイト・東1~8ホール 10:00~17:00

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研究概要

水産物加工に対する極限環境技術の応用

研究機関名

水産研究・教育機構 水産大学校 海洋機械工学科 渡邉研究室

代表者

渡邉 敏晃

本研究の主旨

本研究室では,主として熱流体工学をベースとし,極低温や極高真空,衝撃波などの極限環境および磁場などの特殊環境技術について研究を行なっており,テーマとしては極低温流体の保持,流動相変化特性や高真空断熱技術や高真空,衝撃波を用いた食品加工,海洋環境エネルギー開発など,多岐にわたる.本稿では食品関係に関連するテーマとして,極低温流体を用いた寄生虫処理や衝撃波を用いたフリーズドライの前処理について紹介する.
これら極低温流体を用いた寄生虫処理や衝撃波を用いたフリーズドライの前処理の研究目的は水産業界が抱える諸問題に対し,極限環境技術を用いたブレークスルーを提供することである.極低温流体を用いた寄生虫処理に関する研究では現行では一昼夜かかる凍結処理を短縮できる可能性を有するとともに,低温化における高品位な食材の保持が期待できる.フリーズドライの前処理としての衝撃波処理としては湯戻し時の復元性向上による処理サイズの拡大化や昇華速度の向上による加工工程の省力化が見込まれる.
アニサキスを極低温にさらすことで3秒程度のごく短時間で死滅することが分かった.これにより,凍結処理を短時間にすることができ,生食の寄生虫対策と高品質保持が可能となる.時間的凍結耐性の低い魚種にも対応が可能となり,生食の安全性と消費拡大が見込まれる.フリーズドライ処理を行なう前に衝撃波処理を行なうと,湯戻しの性能が上昇し,通常のフリーズドライでは湯戻りが不十分となり,商品化できないサイズや厚さのものが加工可能となる.また,昇華特性の向上が見られたため,真空処理時間の短縮が期待され,省エネルギー化が見込まれる.また,現行の高品位乾燥技術としてのフリーズドライでは処理不可能な農産物やサイズの制限を受ける物に関しても処理が可能となるのと同時にフリーズドライの難点である処理コストの低減が実現し,食品乾物化の幅が広がる.さらに水分除去の容易化は食品廃棄物からの水分除去時にも有効で燃料化へのコスト削減を実現する.本研究課題の達成により,食品加工における省力化,乾物化促進および物流過程における省力化とCO2削減,食品廃棄物燃料化の促進による食品に関わる総合的な省力化とCO2削減を実現するものであり,低炭素化および再生エネルギーへの転換を飛躍的に進める起爆剤となり得ることから環境問題への寄与もきわめて高いと考えられる.

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