2018国際食品工業展

6月12日(火)~6月15日(金) 東京ビッグサイト・東1~8ホール 10:00~17:00

FOOMA JAPAN 2019 資料請求

研究概要

農家が実装可能な青果物の総合品質評価装置の開発

研究機関名

東京大学 大学院 農学生命科学研究科 農学国際専攻 荒木研究室
埼玉大学 教育学部 生活創造講座 上野研究室
東洋大学 食環境科学部 食環境科学科 吉江研究室

代表者

荒木徹也

本研究の主旨

食品あるいは食に対するヒトの感性を非破壊計測で定量的に予測することは可能なのか、またもし可能だとするならばどの程度正確に予測可能なのか。
本研究の目的は、農家が個別に実装可能な価格水準で青果物の総合品質評価装置を開発することにある。供試材料にはイチゴをはじめとする高級果実を選び、以下の手順にしたがって総合品質評価装置の開発を推進する。すなわち、①プロトタイプ装置の試作、②試作した装置を用いた繰り返し実験、③香り測定、④内部成分含量の測定、⑤テクスチャ測定、⑥セントラルロケーションテスト(CLT)、⑦予測モデルの構築、⑧構築したモデルを装置に実装、⑨経済分析の9ステップである。
光センシングによる青果物の階級選別と等級選別は日本国内の数多くの青果物共同選別包装施設においてすでに実施されており、また安価なポケット糖酸度計も各種果実についてすでに実用化されているが、青果物の糖酸度データは味や香り、外観などといったヒトの感性による評価値を必ずしも保証するものではない。
 また、対象となる青果物の、ヒトの感性による評価得点を非破壊計測に基づき定量的に予測可能な総合品質評価装置が新たに開発されたとして、その装置が農家ごとに個別に実装可能な価格水準であるかどうかを検討することも実用化に向けての重要な課題となる。例えば、日本産イチゴは良食味と評価され、国内外において高値で取引されている果実の一つである。しかし、果実の中でも比較的軟弱であるため、劣化が進みやすく、また輸送中の振動や衝撃でダメージを受けやすい。高品質を維持したまま、国内外の遠隔地に輸送するためには、外観、糖度や酸度など食味に関与する成分に加え、日持ち性や輸送適性に深く関与するといわれる果実硬度の非接触測定が必要である。先行研究において、近赤外画像センシングによるイチゴの損傷判別やイチゴの非接触型総合品質評価システムの開発が実施されてきたが、スペクトルデザイン社が試作した非接触型総合品質評価システムにおいては近赤外領域を測定対象とする高価なInGaAsセンサーが用いられているために、最終製品価格は500~600万円と高価である。そのため、イチゴ栽培農家が個別に実装可能となるように、装置の低価格化が期待されている。
また先行研究では、ハロゲン光源から直接照射する方式で透過法によりイチゴ試料のスペクトルデータを取得することは不可能とされてきたが、測定波長領域を200-1050 nmに限定し、さらに光源強度を強めつつ受光感度を向上させることにより、近赤外領域を測定対象とする高価なInGaAsセンサーを用いなくともスペクトルデータの取得が可能となるのではないかと考えており、まさにこの点を技術的に解決することが、農家が実装可能な青果物の総合品質評価装置を開発する上での鍵となるであろう。

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