2019国際食品工業展

7月9日(火)-7月12日(金) 東京ビッグサイト・東1-8ホール 10:00-17:00

研究概要

「あんぽ柿」加工における放射性セシウム低減対策技術

研究機関名

福島県農業総合センター 生産環境部 流通加工科
農研機構 果樹茶業研究部門 生産・流通研究領域
農研機構 東北農業研究センター 農業放射線研究センター
農研機構 食品研究部門 食品安全研究領域

代表者

関澤春仁

本研究の主旨

福島県では干し柿の一種である‘あんぽ柿’の生産が盛んであるが,2011年に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故は,あんぽ柿の主産地である県北地方にも多大な影響を及ぼした.あんぽ柿は乾燥加工品であるため,原料果に含まれる放射性セシウムは乾燥によって濃度が高まる.そのため,原料果の放射性セシウム濃度は生食用よりも低濃度である必要があり,事故後2年間は県北地方でのあんぽ柿生産を全面的に自粛する対応がとられた.その後 ,県北地方の原料果生産ほ場では,全ての樹体に対して粗皮剥離や樹体洗浄を実施するとともに,事前に幼果等の濃度を調査し,原料果の放射性セシウム濃度が十分に低いと推定されるほ場からあんぽ柿加工を再開した.さらに,加工したあんぽ柿は全て,厚生労働省の定める「食品中の放射性セシウムスクリーニング法」に基づいて放射性物質検査が実施され,確実に食品の基準値を下回る製品のみが流通している.2018年度には加工を自粛していたほぼ全域で加工・出荷が再開され,生産量も震災前の水準に回復しつつある.しかし,わずかではあるがスクリーニングレベルを超過する製品が存在している(2017年度は0.04%,回収・廃棄処理 ).
あんぽ柿の放射性セシウム低減対策として,加工中の放射性セシウムの付着防止,および濃度の低い原料果を使用することの2点が重要である.現在加工に関しては農業生産工程管理(GAP)の手法を導入し,あんぽ柿の衛生的な生産工程管理が行われており,加工工程での汚染の可能性は極めて小さい.一方,原料果については,幼果の検査を実施しているが,抽出検査であることから,稀に汚染度の高い樹体が存在していた場合,その樹体から収穫される原料果はスクリーニングレベル超過品のリスクとなる可能性が考えられた.
よって本研究では,スクリーニングレベル超過の要因を明らかにするため,同一ほ場で栽培されている全ての樹体から幼果を採取・測定して樹体毎のリスク調査を実施し,その主要因を明らかにした.また,それらの結果を受け,現在取り組んでいるあんぽ柿の全量検査時のスクリーニングレベル超過品を低減するための新たな技術開発について紹介する.

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