2018国際食品工業展

6月12日(火)~6月15日(金) 東京ビッグサイト・東1~8ホール 10:00~17:00

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研究概要

咀嚼による食感発現の見える化 ~「音」に着目したオノマトペ食感の解析~

研究機関名

明治大学 農学部 農芸化学科 食品工学研究室

代表者

中村卓

本研究の主旨

私たちの食品工学研究室では、食品のおいしさに重要な食感について研究を行っています。食感には知覚レベルと感性レベルの二種類があります。
1.知覚レベル食感:物理的特性値と相関:生得性(生まれながらにもっている)
 (1)力学的特性:かたい、粘る、熱い(弾性、粘性、振動、温度)
 (2)幾何学的特性:大小、粗滑
2.感性レベル食感:オノマトペ(擬音語・擬態語)表現:習得性(経験により獲得形成される)
知覚レベル食感の変化とそれらの組み合わせを統合的・直感的に判断
(1)歯で潰す:もちもち・サクサク
(2)舌で潰す・練る:とろ~り・クリーミー・口どけ良い
現在の食品開発では、知覚レベルの食感表現(かたさ・粒の大きさ)ではなく、おいしさを示す感性的な食感表現(サクサク・ホロホロなど)の実現が求められています。そのためには、おいしさを表現する感性的な食感表現を具体的に制御可能な食品属性に見える化する必要があります。私たちは、食品構造の破壊過程に着目した物性測定・構造観察を行い、官能評価と相関づけることによっておいしい食感の見える化を目指しています(図1)。例えば、クッキーの食感として、サクサク、ザクザクといった、音に係わるオノマトペを用いた感性的な食感表現が知られています。アコースティックエミッション(Acoustic Emission(AE))は、「き裂が発生する際に材料内部に蓄えられていたひずみエネルギーを弾性波として放出する現象」と定義されています。この弾性波をAEセンサで検出し、信号処理を行うことで材料の破壊過程を評価できます。本研究では、試作クッキーを用いて、いわゆる食感の「音」としてのAEを評価しました。さらに、破壊過程に着目した力学特性・微細構造と知覚食感を相関づけることで、感性的なオノマトペ食感を見える化しました(図2)。
以上のようにオノマトペ食感を具体的な物性や構造変化にまで見える化することにより、感性的なおいしい食感をデザインする食品開発に貢献できると考えています。

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