研究概要

瞬間的高圧処理による食品加工:種子油の高効率抽出

  • テーマ

    ろ過・固-液分離

  • 研究機関名

    沖縄工業高等専門学校 生物資源工学科 嶽本研究室

  • 代表者

    嶽本あゆみ

  • 本研究の主旨


    瞬間的高圧とは、放電などによって発生した数10~数100 MPaの高圧力の波が音速を超える速度で伝播する現象、すなわち衝撃波のことである。農産物などの原料となる素材に対して瞬間的高圧処理を行うことで、数マイクロ秒程度の極めて短時間に高圧力が作用する。農産物の細胞や組織は、密度差の存在によるスポーリング破壊や、気泡の存在による膨張などにより部分的破壊を受ける。これらクラックなどの破壊部分が抽出経路となり、通常の圧搾などの手法では残渣として廃棄されるような細胞内の有用成を、高効率に抽出することが可能になる。
    植物から油を得る方法として、精油などを抽出する水蒸気蒸留法や、種子などに対して荷重により大きな圧力をかける圧搾法がある。圧搾法はさらに低温圧搾(コールドプレス)と高温圧搾とに分けられる。低温圧搾は熱や有機溶剤を使用しないため、成分に変性が生じる可能性が少ない一方、高温圧搾と比べると採油効率が低い。本研究では、瞬間的高圧による細胞壁の選択的破壊を低温圧搾の前処理として行うことで、植物細胞からの抽出経路を形成する。これにより低温圧搾のメリットである成分の変化の少なさを維持したまま、搾油効率を高めることができる。