研究概要

イチジク葉を原料としたアレルギー緩和茶飲料の開発

研究機関名

公益財団法人東洋食品研究所

代表者

小暮 正人

本研究の主旨

【研究の背景・目的】
当研究所の所在地である兵庫県川西市は、イチジク(Ficus carica L.)の産地である。以前には、イチジク葉を原料とし、緑茶と同様の工程で加工したイチジク茶を製造し、販売していた実績もある。イチジク葉には、ポリフェノール(カフェリンゴ酸やルチン)、フロクマリンなどが含まれており、抗酸化作用を有することが報告されている。我々は、未利用素材の有効活用および新たな機能性食品の開発を目的にイチジク茶の機能性について検討しており、培養細胞および動物でアレルギー症状を緩和する効果を見出した。

【試験方法・結果】
 ヒトでの効果を検証するため、軽度アトピー性皮膚炎(AD)患者を対象に二重盲検無作為化対照試験(RCT)を実施した。試験群にはイチジク茶、対照群には着色水を設定し、アセプティック充填により製造した500mL PETボトル詰め飲料を1日1本、8週間飲んでもらい、AD症状を評価した。
 皮膚炎指標であるEASIスコアは、イチジク茶を継続的に摂取することで対照群と比較して有意に減少した。また、その効果は摂取終了後4週間で弱まったことから、継続的な摂取が重要であることが示唆された。AD症状のバイオマーカーとされるTARC量を比較したところ、異常値を示した対照群1名を除外した参考データでは、対照群内では有意な増加が確認されたのに対し、イチジク茶群では低値で推移していた。これらの結果から、イチジク茶はヒトのAD症状に対して有効であり、その作用機序はTARC量の増加抑制であることが示唆された。

【今後の展望】
ヒトでの効果が確認されたので、次のステップとしてイチジク茶の機能性食品開発への着手を目指しており、その連携先を探しています。興味のある方は、ポスターをご覧ください。