研究概要

キレート剤を用いた野菜軟化法の検討

  • テーマ

    食品加工

  • 研究機関名

    公益財団法人 東洋食品研究所

  • 代表者

    小暮 正人

  • 本研究の主旨

    【介護食品の課題と本研究の目的】
     国民の高齢化に伴い、介護食品の需要が伸びている。介護食品の製造方法には、食材をミキサーでペースト状にする方法や、そのペーストをゲル化剤で固めて製造する方法、酵素を用いる方法などがあるが、食欲に影響する外観や、硬さの調節、軟化させた具材のハンドリングに課題が存在すると考えている。そこで、これら課題を解決する介護食品の製造方法の開発を目的とし、キレート剤を用いた野菜の軟化法を検討した。

    【キレート剤を用いた介護食品の製造方法】
    軟化した具材は崩れやすく、流通や保管中の衝撃による外観の悪化が懸念されるため、流通・保管中は崩れ難い硬さを保持し、喫食直前の加熱処理で目的の硬さまで軟化させる方法を検討した。
    検討の結果、ブランチングした野菜およびキレート剤溶液をパウチに充填し、90℃の殺菌を行うのみで、チルド流通可能な介護食品が製造可能であることがわかった。本介護食品は4℃保管で、常温流通商品が販売されている「歯ぐきでつぶせる」相当の硬さを16日間以上維持しており、取り出したゴボウを調味液と共に電子レンジで加熱することで「舌でつぶせる」相当の硬さまで軟化する。また、2価の金属イオンを添加することで、加熱時の具材の形状の保持や硬さの調節も可能である。

    【今後の課題】
     本介護食品の製造方法は極めて簡便であり、既存の課題を解決可能な製造法と考えている。ただし、レンコンや繊維質な表皮を持つ野菜など、一部の野菜に対して十分に軟化させることができないため、今後はこれら野菜も介護食品相当まで軟化できるよう改善を行う予定である。