研究概要

ブロックチェーンとIoT技術を用いたオーストラリアと日本の間における和牛トレーサビリティの促進

研究機関名

北海道大学 大学院情報科学研究院 メディアネットワーク部門 情報通信ネットワーク研究室

代表者

大鐘 武雄

本研究の主旨

和牛の輸出入は,日本-オーストラリア間貿易にとって重要分野に位置づけられており,そのため品質違反・産地偽装の防止は,ブランド維持・需要拡大のため極めて重要である.本研究は,ブロックチェーンとIoT (Internet of Things)技術を用い,和牛等食品の高信頼なトレーサビリティを実現するものであり,在日オーストラリア大使館による豪日交流基金助成金プログラムの支援を受け,シドニー工科大学(UTS)(オーストラリア)と北海道大学(日本)の協力関係のもと推進されている.
様々な分野でその応用検討が進められているIoT技術は,酪農業分野でもその応用が検討されており,牧場・農場での生産効率向上のための利用のみならず,食品流通・サプライチェーン分野においてもその利用が期待される.IoT技術を用いることにより輸送経路および輸送時の気温・湿度等が記録・追跡可能になる.しかし常に改ざん等セキュリティ上の危険性を孕み,品質維持ならびに産地保証のためにはこの信頼性を担保することが極めて重要である.本研究では,ブロックチェーン技術を用いて高い信頼性を実現するとともに,消費者がそのデータをブロックチェーンにより検証可能なシステムを構築する.
本研究ではリアルタイムモニタリングのため,5Gおよびナローバンド(NB) IoTを利用したIoTタグを開発した.リアルタイムで場所・温度・湿度等を記録・追跡可能である.また,ブロックチェーンの高い改ざん耐性を実証するため,IoTテストベッドを利用したブロックチェーンシステムを構築した.加えて,オンラインデータトランザクションプラットフォームと,ブロックチェーンならびにQRコード/NFC IoT ステッカーを利用した追跡システムを開発した.流通業者はスマートフォンアプリを利用し,サプライチェーンの各段階で時間や場所等をネットワーク上のブロックチェーンに記録可能である.対して消費者は,アプリを使用して追跡データを読み取り,どういった経路で輸送されたのか,またその際の環境が適切であったかどうかをトレース・検証することができる.加えて,アプリの機能として,生産者・流通業者は商品情報(生産者の写真や和牛の牧場での様子等)を安全かつ高信頼な形で記録することが可能であり,消費者はそれを参照・検証可能である.