研究概要

食品加工工程の設計・制御技術の新たな取り組み(畜産加工品及び水産加工品について)
(1) 温度湿度制御による食肉乾燥工程の設計と評価 - 乾燥時間の短縮化と品質向上 -
(2) 食品加工における引き算の利用価値 - 昆布に含まれる有用成分の制御技術 -

研究機関名

北海道立工業技術センター 研究開発部 応用技術支援グループ / 食産業技術支援グループ

代表者

小西 靖之

本研究の主旨

(1) 温度湿度制御による食肉乾燥工程の設計と評価 - 乾燥時間の短縮化と品質向上 -
(背景)食品乾燥の中で、低温度域での乾燥操作が求められるものがある。畜肉加工品の乾燥では加工条件が20℃以下であることが食品衛生法で定められている。しかし、低温度域での乾燥操作では乾燥時間が長期化し、この改善策が求められていた。この解決策の一つとして、乾燥空気の相対湿度を制御する方法について、我々は取り組んでいる。通風乾燥において相対湿度は乾燥速度の強い影響因子であり、この相対湿度因子を最適に操作することにより高品質で効率的な乾燥操作設計が可能となる。
(目的)本取り組みでは、比較的低温域での食品通風乾燥工程において、乾燥時間の短縮化と品質安定化を目的に、相対湿度を変動周期操作する方法により、新たな乾燥技術開発を行った。
(結果)開発技術は、例えば、乾燥温度を20℃一定に保ちながら、「低湿度・高風速」と「高湿度・低風速」の2つの乾燥条件を周期的に繰り返すことにより、「乾燥工程」と「あん蒸工程」(乾燥物の水分内部拡散により表面硬化防止する工程)を交互に行う様な工程で、この操作の設計情報について報告する。
(図1)

(2) 食品加工における引き算の利用価値 - 昆布に含まれる有用成分の制御技術 -
(背景)食品素材には、健康の維持増進に寄与すると考えられる多くの有用成分が含まれている。しかし、これらの中には豊富に含まれる一方で取り過ぎが懸念されるものや、含有量が少ないため一定量を摂食しなければ効果が期待できないと思われるもの等、様々なものが混在している。昆布を例にすると、甲状腺ホルモンの形成に必要な成分だが、過剰摂取した際には健康被害が懸念される水溶性のヨウ素が含まれる一方で、近年、抗肥満作用等があるとの報告から注目されている、脂溶性のフコキサンチン(Fx)が含有されていること等が挙げられる。 (目的)食品素材に含まれる有用成分について、製造現場で利用し得る有益な制御技術を開発する。
(結果)生昆布をボイル処理することにより、ヨウ素を含む水溶性成分の漏出が起こり、見かけ上、Fxの含有量を高められることが確認された。このことは、適切な前処理を施すことにより、特定成分を効率的に摂取できる加工品の開発が容易となることを意味している。
(図2)

温度湿度制御による食肉乾燥工程の設計と評価
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(2)の研究概念
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