浮力を利用した非接触攪拌の試み
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テーマ
流動・撹拌
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研究機関名
豊田工業高等専門学校 機械工学科 流体工学研究室
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代表者
小谷 明
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本研究の主旨
飲料水など食品となる液体を容器内で攪拌する際,通常,容器の外部に設置されたモータにて回転軸を介して容器内の攪拌翼を回転させることとなる.しかしながら,モータの回転軸と容器壁との間では回転を維持しつつ容器内の液体が漏れないようにシールする必要があるため,シール材などの不純物が液体内に混入することやシール材の劣化による漏れなどが生じる恐れがある.
これまでに電磁石などを用いた非接触型の攪拌装置が考案されているが,その構造は複雑であり,電磁石などを制御する必要性が生じる.
本研究では,液体中に回転体を浮かせ永久磁石の磁力にて回転させることによって,非常に単純な構造で非接触の攪拌を行う手法を提案する.この回転体は,図1に示すように,フロート部,接続軸,攪拌翼から構成され,フロート部で大きな浮力を得て,接続軸にて容器底部近傍の攪拌翼と連結させた構造である.この回転体における浮力と重力の中心とのバランスなどに回転体の安定した回転速度が得られる.さらに,液体内にトレーサー粒子を浮かべてレーザー光シートにて照射することにより攪拌の状態を可視化する.