研究概要

フライヤー気相部への過熱水蒸気の導入による油脂固着の抑制

  • テーマ

    食品加工装置(ロボットシステム構築含む)

  • 研究機関名

    三重大学大学院 生物資源学研究科 海洋微生物学研究室

  • 代表者

    福﨑智司

  • 本研究の主旨


    フライヤーの油は、酸素存在下で加熱されると酸化重合が起こり、粘度の増大と固化が進行してフライヤーの表面(気固液界面)へ強く固着する。また、水分含量の多い食材の揚げ物の調理では、油の加水分解が促進されるため、油の褐色化や粘度の増加、酸価の増加、カルボニル価の増加、栄養価の低下、極性化合物の含有量の増加等の劣化が進行する。フライヤーの洗浄操作を容易にするためには、油の酸化重合を抑制し、油の付着量および固着度を減少させる必要がある。本研究では、フライヤーの気相部に過熱水蒸気を導入することによる油脂の酸化重合および固着の抑制効果を検討した。
    大気中(酸素存在下)において菜種油(以下、油と略記)を塗布したステンレス鋼を160~200℃で加熱すると、時間に依存して油の重合(褐色化)と固化が進行し、陰イオン界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)の浸漬洗浄では除去できない汚れとなった。
    一方、油を塗布したステンレス鋼を過熱水蒸気雰囲気下にて200℃で加熱すると(2 h)、水蒸気-ステンレス鋼-油界面では油の酸化重合と固化が起こらず、ステンレス鋼への固着を抑制することができた。過熱水蒸気の導入が、フライヤーでの油の酸化重合とステンレス鋼への固着の抑制に有効であることが示された。